#004 いざ東京 〜K-ON! HISTORY'S TALK〜 |
早朝五時、腹部の異変で目が覚める。イベント終了後はグダグダになる予感がしたため、その晩は珍しくビジネスホテルを予約していた。その予感がまさに的中してしまった訳だ。結局、あずさの車内に留まらず、宿に入った後も酒をしこたま呑んでしまった挙句、朝方になってトイレに駆け込む始末。但し、上からの噴出及び室内の汚染は皆無であったことを付け加えておく。
★三日目(最終日 6/17) ふわふわ退路
甲府→(中央東)→塩尻→(中央西)→多治見→(太多)→美濃太田→ →(高山)→岐阜→(東海道)→大阪 |
のっけから汚い話題で恐縮である。自棄酒でグダグダの結果、チェックアウトギリギリの時間に宿を後にした。予定(そもそもあまり当てにならない)よりも一時間延発である。
甲府駅に戻り、中央本線での西進を再開する。甲府から大阪までの移動は普通列車でも所用時間は充分であるため、本日は特急列車は使用しない。列車に乗る直前、駅の売店をのぞくと良質の燃料を発見し、とりあえず買い込んでおく。
最終日一本目は小淵沢行きの普通列車。ピーク時間を過ぎており、かつ六両もつないであるため、車内はガラガラである。昨日までとは打って変わって本日は晴天であり、車窓両側に甲州の山々が眺められる。車内には大きなリュックサックを持ったハイカーのような人の姿も見える。 折角燃料を調達したので…
ワインのワンカップがあるとは流石山梨県 |
右や左にカーブしつつ、時々現れる線路改良前の旧線跡を辿りながら、右手に八ヶ岳が見えてくると、早くも終点の小淵沢に着く。
小淵沢行き115系普通列車 | 385… 「さわ子」とな…? |
標高のかなり高い所に位置しているので、日陰に入ると時折吹きぬける風が涼しくて心地よい。昨夜の東京もかなり涼しかった(近畿圏比)だが、この地とは比べ物にならない。列車の待ち時間の間、駅周辺を散歩してみる。小さな町ながらも、車や人の往来もあり、実際そこには時の流れがあり、人の生活がある。しかし、昨日からの私は、けいおん二期13話の梓のような、現実と夢が混じり合ったかのような、ふわふわした感じが今なお続いている。ワインの酔いもあるが、それよりも昨日の刺激があまりにも強すぎたせいだろう。
後続の松本行き普通列車は三両編成と短いが、この先で県境を越えるせいか、ボックス席まで空いている。一駅隣の信濃境から長野県となり、管轄支社の方針の違いのためか、ドアが手動扱いの半自動となる。駅に停車しても慣れない旅行者がドアの前で仁王立ちし、ささっと私がドアを開ける場面もあった。
日本のスイスとも言われる(らしい?)諏訪湖のほとり、上諏訪で列車を捨て、駅近くにある温泉施設にて遅い朝風呂を浴びることとした。
上諏訪温泉 片倉館 |
入湯年月 | 2013.6 |
---|---|
料金 | ¥600 |
営業時間 | 10:00〜21:00 定休日:毎月第二・第四火曜日 |
備品など | ボディーソープ、シャンプー、ドライヤー |
泉質 | アルカリ性単純温泉 |
データ年月 | 2014.3 |
備考 | 巨大な浴槽 タオル等の販売あり |
昭和初期に建てられた温泉施設で、今なお現役である。広々とした内風呂は千人風呂と称し、お湯がドバドバと掛け流されている。無味無臭無色透明でクセはなく、旅で疲れた体を癒すにはちょうど良い。利用客は私以外に数人しかおらず、半ば貸し切り状態であり、ゆっくりと浸かっていられた…。ん?
だがしかし、この時点で私の当初の計画とは一時間のズレが生じている。このままでは都合が悪い。上諏訪での滞在時間は次の列車までのちょうど一時間である。駅から徒歩数分とは言え、あまり長居してはいられない。時計の長針の位置にドキッとし、急いで風呂から上がり電光石火のごとく片倉館を飛び出す。おかげで駅に着いた頃には汗だくとなってしまった。これでは何のために風呂に浸かったのか分からなくなる。
冷房の効いた列車で一息つき、長い塩嶺トンネルを抜け、塩尻で再度列車を降りる。ホームを移動しているうちに、次に乗る木曽福島行きの列車がやってきた。
木曽福島行き 313系1300番台 |
塩尻からのいわゆる中央西線の普通列車は十年以上前から313系によるワンマン運転が行われている。以前乗った際はボックスシートが並ぶ3000番台であったが、今し方見てみれば、名古屋近辺を快速で走っているような、転換クロス車になっている。いつの間に、そして何の意図があって313系同士を置き換えたのだろうか?
塩尻から一駅先の洗馬よりオレンジの会社へ逆戻り。見慣れて…はいない(笑)。木曽路の途中駅止めの列車なので、車内は閑散としている。終点までは乗り通さず、ふと、気になる駅にて降車する。無人駅なので下車印は押されず、運転士に途中下車である旨を告げるのみである。
木曽平沢駅。頭の旧国名が邪魔である(笑)。他線と駅名が重複している訳でもなく、旧国名付きなのは何故? ということで、このネタを…
ひ ら さ わ ゆ い |
どちらもオレンジ会社のエリアであり、後者は昨日往路にて通過済みである(画像は過去撮影のものを使用)。折角なので、けいおん人気に便乗して、両駅間をつなぐ臨時快速列車を運行してはいかがだろうか(笑)。
とびきりの蔵出しネタ、もう一発!
平沢@平沢 |
中央西線の塩尻〜中津川間は普通列車の本数が極端に少ない。次の列車まで一時間強あるので、適当に散策してみる。
平沢の町並み 中山道沿いの集落も、良くも悪くもナチュラルに発展 |
こうして見ると、そう広くは無い集落に漆器店が集中しているのが分かる。客はおろか、集落内に人影が見えないので、商売やっていけてるのかと余計な心配をしてみる。
隣の奈良井駅までは二キロ程度であるため、列車待ち時間を利用し徒歩連絡してみた。平沢の集落を抜けR19経由でおよそ40分程度で到着した。
奈良井駅 |
こちらも旧街道の宿場町として栄えたが、今では保存整備によって集落全体が昔の趣を残している。平日の昼間だが、観光客の姿も見られるように、木曽路の一観光地と化している。但し、駅はローカル列車しか停車しないためか、訪問者はほとんどがマイカーでのアクセスのようである。
奈良井から乗車した中津川行き列車も二両編成ワンマンカーであった。 中津川に着くころ、夕方となっていたため、すぐ接続の名古屋行き快速には乗らず、駅を出て近くのショッピングセンターへ買い出しに行く。多少腹も減ってきたので、弁当を買って列車内でいただこう…と思ったら、やって来たのはロングシート車。捨てた快速は転換クロス主体だったのに…。
名古屋まで乗り通すと金山〜名古屋が複乗となるため、多治見で太多線に乗り換え、美濃太田経由で岐阜に向かう。
美濃太田発岐阜行き普通列車 | 所属表記は…ミオ 平沢ネタに引き続き、今度は澪が登場 |
その後、岐阜と米原で列車を乗り換え、大阪駅には23時頃に到着。途中滞泊をしながら、昨日東京を発ってから実に26時間が経過していた。某スレを覗けば、この頃になってやっと復路のバスに乗車した遠征組もいたらしい。小学校の遠足ではないが、家に着くまでが遠征だ…。
★エピローグ
無駄にだらだらと長くなり、そして最後のほうを端折りまくるのがウチの道中記の伝統である(笑)。
二泊三日でかつ移動は全て在来線という、修行に近い行程ではあったが、今思えば三日間があっという間に感じられる。今回の旅行のメインは何と言っても二日目のイベントであるが、副産物も沢山得られるのが、在来線での列車旅の醍醐味ではなかろうか。
事実上、けいおん三期が潰えたことに関しては、私からは敢えて何も言いますまい。ただ、今回のイベントを通じ思ったことは、もう少し早く、この作品に出会えていれば…ということである。アンチも存在するのは事実だが、こんな大勢の人に愛される名作に触れることができて幸いである。会場でのお二方はじめ今回参加された皆さん、出演者及びスタッフの皆さん、お疲れ様&色々ありがとうございました。
今回の戦利品 その他に入場者特典のTシャツがある |
〜おわり〜
★参考