#004 いざ東京 〜K-ON! HISTORY'S TALK〜 |
★はじめに
2013年3月、アニメ「けいおん!」シリーズのCD-BOXが発売され、それを記念して同年6月16日、東京国際フォーラムにてイベント「K-ON! HISTORY'S TALK」が開催された。本イベントの詳細レポートは他サイトさんにお任せし、本レポートではその前後の行程を含めた道中記として以下に著す。
★プロローグ 歓喜より困惑
その時の私は最大限の喜びを享受していた、と言うよりもむしろ困惑していた。
2013年に入り、アニメ及び映画けいおん!シリーズのCD-BOXが発表され、三月後半に発売開始となった。価格こそ約二万円と高額であるが、12枚組全258曲が収録され、トータルで考えると案外高くないのかもしれない。シリーズのCDの類をほとんど所持していない私はその価格に眩暈をおこしながらも清水から飛び降りる覚悟で購入を決定した。
ただでさえお得(?)なBOXには、一つ重要なオマケが封入されていた。それは、六月に開催されるというイベントの抽選券であった。申し込めば確実にチケットが確保できる訳ではないが、当選こそすれば一般発売日に右往左往せずに済む。
六月という中途半端なシーズンに、会場は東京、だがここは近畿某所…。ある夜私は酔いに任せ、後先考えずダメもとで一席だけ発注してみた。ところがところが当落発表日、発注先のウェブサイトで確認してみれば、なんと当選してしまったのである。四月中旬のとある昼下がりのことであった。鉄ヲタで貧民の私なら移動手段はJR在来線、青春18きっぷの出番である。しかし六月と言えば当然18きっぷのシーズン外である。その代替手段を考えねばならぬ。最初に挙がったのは最近流行りのLCCと呼ばれる格安航空会社の飛行機である。だが諸々の事情により予約が度々先延ばしとなり、結局は安く買える時期を逃してしまい没となった。残る手段だが、新幹線はセレブの乗り物!(キリッ であるため除外(往復を考えるとその額にゾッとする)、格安ツアーバス(※現在は廃止)は宗教上の問題により端から眼中に無かった。
となると残りは高速路線バス、あるいは単なる乗車券による列車での移動となる。新幹線や特急列車を使わなければ大阪〜東京なら両者ともに値段こそほぼ互角である。悩んだ挙句、私が鉄ヲタであること、開催日は日曜日だが翌月曜日が私には休日であること、その他ちょっとしたネタを思いついたこと、などにより在来線での移動に軍配が上がった。単純往復では面白みに欠ける。そこで私は以下のようなルートを考えた。便宜上、大阪を起点としている。
私の拙い見にくい分かりにくい地図 首都圏及び近畿圏は一部路線省略 |
地図に示したように、往路は概ね東海道線、復路は中央本線経由の一筆書きのコースとしている。このコースでは、発駅着駅ともに「大阪市内」となる片道乗車券が適用される。JRの運賃は営業キロが増えるごとにキロ当たりの料金が低下する。つまり、単純な往復の場合よりも超長距離の片道乗車券のほうが安価になる。但し一筆書きが重要条件であり、途中で経路が重複すると同じ駅を二度目に通った時点で打ち切りとなる。
単純往復する場合、大阪市内→東京23区内(東海道線経由)で片道¥8,510だから往復で¥17,020となるが、上記のコースをとれば大阪市内→(東京)→大阪市内で¥12,810と四千円近く安くなる。無論、乗り継ぎが多くなるので急ぎでないことが前提である。ところで、鉄道を使い慣れていない人、とりわけ都心部周辺の住人からすれば、今回の目的地に対する上記のルートは奇妙に感じるかもしれない。えっ、東京まで行っても途中で降りないの? と思うのが普通だと思う。実際、このような経路で書類を申請した際(申請先は駅窓口や旅行代理店ではない)、前述のような反応が返ってきている。あまり知られていないようだが、JRの乗車券では片道101キロ以上になる場合、原則として引き返さない限り何度でも途中下車が可能である。今回の行程でも、その途中下車という方法を有効活用する訳である。
但し途中下車というシステムにも例外が存在する。細かな事は割愛するが、おおよそ都心部のみで完結しない距離の長い切符(目安として片道¥2000以上)なら途中下車ができる場合が多い、ということを覚えておくと色々と捗る、かもしれない。勿論、都心部に限らず短距離の切符では途中下車は不可である(改札を出た時点で切符が没収される)ため、普段から鉄道旅行に出かけない人が前述のような反応をするのは当然である。
※詳細について興味のある方は各自調べてください(他力本願)そして来る6月15日、二泊三日の日程として、上記のルートで発券した切符を手に、近畿某所を発った。
次回、一日目。未知との遭遇?